**駒寄農場 オリジナルブルーベリーピザ誕生物語**

**駒寄農場 オリジナルブルーベリーピザ誕生物語**

 

 

 

    平成20年、山の中のブルーベリー園にログ

 ハウスが完成しました。来園されたお客様に

 鳥の声を聞きながら一休みしていただきたいと

 の想いで建てました。

 

 

 翌年、ここにピザ窯を作りました。きっかけは「今は待つことの楽しみが無いよね。」と

いう友人の一言でした。外食ではドライブスルーができて、コンビニにもたくさんのすぐ

に食べられる食材があってとても便利です。でも、忘れられそうな「待つことの楽しみ」を

お客様にぜひ体験して欲しいと思い、ピザ窯を作ることにしました。

 

 同じ能登町で農家民宿を経営している

山崎さんが左官業の方で耐火煉瓦をアーチ型

に積み上げてピザ窯を作ってくれました。

次にピザ生地はパン教室講師の資格を持つ

鈴木さんに教えてもらいました。なんとか生地

が作られるようになりましたが、初心者ですから

シンプルに玉ねぎ、ベーコン、ピーマン、トマトの

ピザを焼いていました。手作り生地は、お客様から「とても美味しい!」と好評でした。

 

ピザ窯ができて2年目に東京からお客様が3人いらっしゃいました。

お一人は亡父駒寄孝造がここにブルーベリー園を作った時にお世話になった筑波大学

の先生の親族の方でした。ピザを焼くときにお客様が「ブルーベリーをのせてみましょう

よ。」と言われ、いつものピザの上にたくさんのブルーベリーをのせて窯に入れました。

 

     

 

焼き上がったピザには加熱されたブルーベリーがキラキラと宝石のように輝いていまし

た。チーズとブルーベリーはとても相性が良くて今までに食べたことのない美味しさでし

た。お客様のひと声で誕生したブルーベリーピザはそれ以来駒寄農場のオリジナルピザ

になりました。

 

  

 

毎年、収穫祭には必ずブルーベリーピザを焼きます。自然と子供たちは窯の前で焼き上

がりをカウントダウンをしながら待ちます。まさに「待つことの楽しみ」です。ピザ窯の火加

減はちょっと難しいです。初めは勢いよく薪を燃やします。窯が暖かくなったらおき火にし

て両脇に寄せます。窯の真ん中にピザを入れて焼きますが、焼き具合が難しいです。で

も、窯で焼くからこその美味しさがあります。

   

 

 

今は日常生活で薪を燃やすことやマッチを擦ることさえ、ほとんどありません。窯の中で

チーズがだんだんとろけてきて加熱されたブルーベリーが輝き始める。そんなピザの焼

き上がりを鳥の声を聞きながら、ブルーベリーを眺めながら待つことはささやかな幸せで

す。