能登ブルーベリー農家のアイス、誕生物語
*ブルーベリーのアイスが作りたい!*
それはずっと夢でした。
もともとブルーベリーはチーズや牛乳等乳製品と相性がとてもいいです。 だからアイスクリームにできたら、きっと美味しいだろうなと思っていました。
3月まだ寒さが残る頃でした。ISICO能登サテライトで㈱アーリオ・オーリオ(株式会社アーリオ・オーリオ (gelato-gelato.jp))
の吉川工場長と初めてお会いしました。
私たちBerrySmile農家が30年以上前から農薬を使わずにブルーベリーを栽培していること、完熟ブルーベリーの収穫にこだわって一粒一粒手摘みしている話をすると、完熟ブルーベリーにとても興味を持っていただきました。
「それなら、ぜひ自然の素材にこだわった美味しいアイスを作りましょう。」という話になりました。
↑発酵ブルーベリーソースの仕込みの様子(発酵ブルーベリーソースhttps://www.komayose.com/product/2)
*ブルーベリーアイスの試作
BerrySmileの商品作りの基本は「発酵ブルーベリー」を使って商品を作ることですので、第一段階は発酵ブルーベリーソースを使ってアイスを作ることからスタートしました。
アイスミルクに発酵ソースの配合を変えた物を4種類提案していただきましたが、アイスミルクの甘さとソースの甘さが強く感じられ、ブルーベリーの味はあまり感じられませんでした。
次に発酵ブルーベリーソースに生のブルーベリーを混ぜて試作してもらいました。まだ、アイスミルクの味が強くて甘いのです。難しさを痛感しました。生のブルーベリーにはもともと香りがありません。やはり、着色料や香料を使わずにブルーベリーの味をだすことはかなり厳しいと思いました。
3回目の試食では、発酵ブルーベリーではなく生のブルーベリーで作られたアイスです。今までのものより、甘味は抑えられていました。ただ、ブルーベリーの存在感はもうひとつでした。
この時吉川工場長から
「もう少し酸味のあるブルーベリーをください。」でした。
意外でした。今まで完熟ブルーベリーばかりが頭にあり、 甘味のある ものばかりを思っていました。グループのメンバーに相談したところ、 「ダロウ」という品種なら熟しても酸味が残ると教えてもらい、 ラビットアイ系に「ダロウ」を加えてみました。
←ハイブッシュ系 「ダロウ」
夏の収穫シーズンに突入し、毎日が生ブルーベリーの出荷でいっぱいのある日、吉川工場長から電話をもらいました。「駒寄さん、とても良いものができましたよ!今度の試食を楽しみにしていてください。」と力強いお言葉でした。
*「能登ブルーベリー農家のアイス」誕生!
4回目の試食です。アイスカップのふたを開けるとやさしいブルーベリーの色に種の粒々が散らばっていて、まるでブルーベリーの断面みたいです。スプーンを入れると中から濃い赤紫色のブルーベリージャムが入っています。このジャムの部分はしっかりとブルーベリーの味がします。アイス1個にブルーベリーが25gも入っているので、甘さは控えめでとてもさわやかな味わいです。「すごく美味しい!」
合成着色料も香料も使わずに、この味と色を作り上げてくださったアーリオ・オーリオさんは10回以上も試作されたそうです。私たち農家の気持ちを理解していただき、合成添加物は全く使わず、安定剤は海藻由来のもの。ジャムに加えたレモン果汁はなんとイタリアのシチリア産の有機レモン果汁を使用してくれたそうです。
こうして「能登ブルーベリーアイス」が誕生しました!
私たちはこのアイス作りを通してブルーベリーに求められるものは甘さだけではなく、組み合わせによっては酸味の強いものを求められることを学びました。確かにブルーベリーの味は品種によって様々です。それぞれの特性を活かして加工品を作っていくことが必要です。
ブルーベリーについてもっともっと学びたい。私たちBerrySmileの合言葉は「日本一研究熱心なブルーベリー農家をめざす」です。そして、ブルーベリーを通じて農家もお客様も笑顔になれるように。それが私たちの夢です。
おかげさまで「能登ブルーベリー農家のアイス」は大好評です。農家と加工者がお互いの想いを理解し作り上げた商品はとても良いものができます。
詳しい商品紹介はこちらから→「ブルーベリー農家がこだわって作ったアイス」https://www.komayose.com/diary-detail/209